2022年6月7日の仰天ニュース「弁護士の奇策!消えた借金1500億円SP」のネタバレ。
主人公の会社員は不動産投資を始めたが、不動産会社と銀行の不正で2億円の借金を抱えることになりました。
この方と同じような被害者は1000人近くいて、合計で1500億円ほどの借金が発生していました。
これが「スルガ銀行かぼちゃの馬車事件」と呼ばれています。
ただ仰天ニュースの予告にあるように、1500億円の借金は帳消しされています。
この記事では、事件の概要について書いているので、放送と併せて見て行ってください。
不動産投資ということで、縁が無い人には難しい内容ですが、なるべくわかりやすく説明しています。
目次
スルガ銀行かぼちゃの馬車事件で出てくる用語について簡単に
「不動産投資」
アパートやマンションの不動産を購入し、入居者に貸して家賃(収入)を得ることが目的
事件を理解するために、簡単に不動産投資について説明します。
イメージでいいので、なんとな~く理解できれば大丈夫です!
不動産投資は簡単に言うと
不動産を買う→他人に入居してもらう→入居者の家賃が収益!
って感じで、最終的にマンション等の購入費以上に稼ごうっていうのが目的ですね。
画像にするとこんな感じですね。
例えば2億を銀行から借りてマンションを購入してオーナーになるとしましょう。
毎月の銀行への返済が80万、毎月の家賃の収入が100万だとすれば、毎月20万円の利益が生まれますね。
簡単に言うと銀行への返済額・管理会社への管理費以上に、家賃収入を得ようといったものですね。
かぼちゃの馬車・株式会社スマートデイズ
シェアハウス
「かぼちゃの馬車」は、不動産会社スマートデイズがサブリース事業で展開していた女性専用シェアハウスのブランド名。
シェアハウスのことですね。
被害者の投資家達が、銀行から融資を得て建てたのがこちらのシェアハウスです。
不動産会社のスマートデイズは、建設費を出すオーナー(投資家)を募集。
希望するオーナーが現れると、スマートデイズが「かぼちゃの馬車」を建設して、オーナーに販売していました。
「かぼちゃの馬車」の所有者はオーナー(投資家)です。
投資家達は、銀行から融資(借金)を受けて「かぼちゃの馬車」を購入し、入居者からの家賃収入で利益を得ようとしていたんですね。
ただこちらのスマートデイズが悪徳業者だったために、投資家達が借金を抱えるようになりました。
サブリース契約
不動産会社スマートデイズと被害者オーナーが結んでいた契約
オーナーはスマートデイズから金をもらえるようになっていた。
サブリース契約というのは、不動産会社が物件をオーナーから借り上げ、入居者に転貸するシステムです。
不動産会社は入居者から家賃を受け取り、その一部をサブリースの保証賃料としてオーナーに支払います。
サブリース契約を結ぶと、安定した賃料収入が不動産会社によって保証され、入居者対応もすべて不動産会社が行ないます。
サブリース契約では『家賃保証』されているので、入居者が家賃を延滞や支払ってくれない時、さらに入居者がいない空室の時でも保証された賃料を滞りなく受け取ることができます。
今回の件で言うとオーナー(投資家)の代わりに、不動産会社スマートデイズが「かぼちゃの馬車」への入居者の募集、入居者から家賃の受け取り、入居者と「かぼちゃの馬車」の管理を行います。
スマートデイズは受け取った入居者の家賃から手数料を引いた、残りのお金(サブリース賃料)を毎月オーナーに支払います。
オーナーは「かぼちゃの馬車」をスマートデイズに貸す代わりに、入居者募集や管理の手間が省け、入居者がいてもいなくてもサブリース賃料が受け取れます(家賃保証型サブリース)。
オーナーは入居者の有無に関わらず、スマートデイズからお金を受け取れるようになっていました。
スマートデイズは不動産投資家に対して、「頭金なしで投資でき、30年間の家賃収入を保証」と謳い、利回りは8%になるとも言っていました。
利回り
物件の購入額に対する年単位の収益の割合。
「利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100」
【仰天ニュース】スルガ銀行かぼちゃの馬車事件とは?不動産投資で1500億円の借金
オーナーへの30年間の家賃収入保証にも関わらず、支払いが止まる
不動産会社のスマートデイズは、シェアハウスのかぼちゃの馬車を不動産投資家に売りつけていました。
「頭金なしの投資・30年間家賃収入の保証・利回り8%」と謳い、主にサラリーマンなどをターゲットにして売っていました。
この条件に喰いついた投資家達は、銀行から融資を受けて(借金)、かぼちゃの馬車を購入&建築。
先ほど上で書いたように、不動産会社のスマートデイズとオーナー(不動産投資家)は、サブリース契約を結んでいました。
オーナーは入居者いてもいなくても、スマートデイズから安定した賃料を受け取れるといったものでしたね。
つまり仮に入居者が居なくてもスマートデイズからサブリース賃料を受け取れるはずでした…。
ですが、いざかぼちゃの馬車を建築しても、入居者が中々見つかりませんでした。
シェアハウスのかぼちゃの馬車は、上京する女性単身者をターゲットにしていて、家賃は4万円程度に設定されていました。
一見安いですが、部屋の広さは4.2畳ほど、シェアハウスならではの共有リビングも無し。
そんなに良い条件ではなく、入居者が見つかりませんでした。
スマートデイズは家賃の一部をオーナーに払う必要がありますが、肝心の入居者が見つからず家賃をもらえません。
スマートデイズは経営不振に陥り…。
2017年11月にはオーナーに支払うサブリース賃料が減額、2018年1月には支払いが停止しました。
スマートデイズは2018年5月15日には破産手続開始決定を受けました。
スマートデイズの自己破産により、30年間の家賃保証も払われなくなり、オーナーも借金を抱えるようになりました。
オーナーは家賃収入の利益を見込んで、銀行から融資を受けてかぼちゃの馬車を購入しています。
毎月、家賃収入の一部を銀行への返済に充てる予定でした。
しかし家賃収入が貰えなくなってしまったので、毎月の返済ができなくなってしまい、借金だけが残ることになってしまいました。
この被害者のオーナーは1000人ほどで、合計被害額は1500億円ほどでした。
これがスルガ銀行かぼちゃの馬車事件ですね。
【仰天ニュース】スルガ銀行かぼちゃの馬車事件はなぜ起きた?
スマートデイズがオーナーに支払うお金の資金源なんですが、入居者の家賃だけじゃありませんでした。
また、今回の事件には銀行にも問題がありました。
スマートデイズの資金源は建築会社からのキックバック
5000万円以下で建てられるものを1億円で売っていた
本来ならスマートデイズは、かぼちゃの馬車への入居者の家賃が資金源になりますが、入居者がいなければその資金ももちろん入りませんね。
しかしスマートデイズの資金源は家賃だけでなく、建築会社からの異様に高いキックバックでした。
キックバックとは、取引の相手方に対して、取引に関連して報奨、謝礼のような意味で支払う金銭などを言います。
キックバックは通常2%~3%だそうですが、スマートデイズは建築会社から50%ものキックバックを受け取っていました。
本来なら5000万円で建てられるシェアハウスを、倍の1億円でオーナーに売りつけ、その半分の5000万円をキックバックとして建築会社から受け取っていました。
スマートデイズはこれを資金元として、オーナーにサブリース賃料を払っていました。
オーナーだけが高く設定された建築費分損をして、建築会社とスマートデイズが美味しい思いをしていたんですね。
スルガ銀行の融資
スマートデイズがオーナーとスルガ銀行を仲介
この事件で多くのオーナーに融資してローンを組ませていたのがスルガ銀行でした。
スマートデイズとスルガ銀行は繋がっていて、オーナーにスルガ銀行から融資を受けるようにしていました。
またスルガ銀行は、貯金がないオーナーへの融資に必要な書類を、オーナーに貯金があるように改ざんして、ローン審査を通していました。
普通は融資する際に、物件価格の1~2割ほどの頭金が必要だそうですが、スルガ銀行は物件価格の10割を融資していたとのこと。
スルガ銀行は、ほとんど残高がないオーナーに対して、数千万ほど残高があるように改ざんしていたんですね。
そうやってローンを組んでいました。
ですがスルガ銀行は突然、新規オーナーへの融資を打ち切りました。
理由としては、かぼちゃの馬車のオーナーのローン返済が滞っていたためです。
勘のいい方なら、新規のオーナへの融資が止まったら、どうなるかわかるんじゃないでしょうか。
スマートデイズの資金源は建築会社からのキックバックでしたね。
しかし新規オーナーへの融資がなくなれば、誰もかぼちゃの馬車を買う人がいなくなり、スマートデイズはキックバックを受け取れなくなります。
スマートデイズの資金源がなくなれば、サブリース賃料がオーナーに支払えなくなりますね。
こうやってスマートデイズは破綻していきました。
【仰天ニュース】スルガ銀行かぼちゃの馬車事件の被害者オーナーのその後は?
スルガ銀行に土地と建物の物納によって、オーナーの借金を帳消し
物納
税金を金銭以外のもので納入する方法をいう。
2018年2月には、オーナー247名から委任を受けた被害弁護団が発足、2019年9月11日に、被害弁護団はスルガ銀行に早期解決を求める調停を東京地裁に申し立てた。
同年11月5日、東京地裁から解決への勧告が行われ、スルガ銀行と被害弁護団を中心に解決方法の検討が進められていた。
そして2020年3月25日、スルガ銀行と被害弁護団は解決方法で合意に至った。
その解決方法とは、不動産購入向けの融資と不動産を「相殺」するというもの。
つまり、土地と建物の物納を条件に、借金を帳消しにするのだ。
無事解決して、オーナーの借金はなくなりました。
ただこの件に関しては、「騙された方が悪い」といった声も多かったようですね。
【仰天ニュース】2億円借金!被害者の会社員は冨谷皐介(とみたにこうすけ)
仰天ニュースの再現VTRの主人公
仰天ニュースの本放送の再現VTRでは、2億円の借金を負った会社員に焦点が当てられていますね。
こちらの会社員なんですが、冨谷皐介(とみたにこうすけ)さんの話なんです。
予告動画も公開されたようです。
私崩れ落ちてます、、放送を楽しみにしております!#かぼちゃの馬車事件 #ガルスTV #冨谷皐介 https://t.co/RI5HH0pWpV
— 冨谷皐介(トミタニ コウスケ) Call me Tom san→GIANT KILLING! (@GiantKilling03) June 1, 2022
ごく普通のサラリーマンだった冨谷さんですが、このかぼちゃの馬車事件の被害に遭いました。
2億円という巨額の借金から、食事もろくに喉を通らず、自殺を考えるほどだったそうです。
そんな冨谷さんですが、2018年に「スルガ銀行・スマートデイズ被害者同盟(SS被害者同盟)」を立ち上げ、代表を勤めます。
かぼちゃの馬車事件 スルガ銀行シェアハウス詐欺の舞台裏【電子書籍】[ 冨谷 皐介 ]
この辺のお話については、こちらの本や、仰天の本放送でご覧ください。
現在では「一般社団法人ReBORNs」の代表として、同じように被害に遭った方を救う活動をしています。